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ウラベニイグチの毒成分・中毒症状など

最終更新日:2023年6月25日(画像はWikipediaより)

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ウラベニイグチ(裏紅猪口、学名:Rubroboletus satanas)とは、イグチ目イグチ科ルブロボレトゥス属のキノコ。赤い管口と柄が特徴である。

かつてはヤマドリタケ属であったが、後にルブロボレトゥス属に編入された。

主にヨーロッパなどに生息するキノコの一種で、毒キノコとしても有名。種小名の「satanas(サタナス)」は文字通り悪魔の意味を持ち、それにちなんで通称「悪魔のイグチ」とも呼ばれる。

特徴

夏〜初秋にかけて、主にブナ、シイ、カシなどの広葉樹林の地上に発生する。

傘は怪20〜30cmと大型で、初め半球型、のちまんじゅう形からほぼ平らに開く、表面は汚灰白色でややビロード状。

管孔は初め黄色、のち赤色になり、成熟するとオレンジ色となる。

柄は太いこん棒状、表面は赤色だが、上部は黄色であり、上部〜中部にかけて網目模様が見られる。

肉は白黄色で不快な臭いがあり、空気に触れると青変する。

胞子は楕円形、大きさは11〜15×5〜7μm程となる。

毒成分

タンパク性毒成分の「ボレサチン」を含んでいる。

これはドクヤマドリの毒成分であるボレベニンと高い相同性を持ち、ボレベニンに近い毒性を示す。

ごく微量にムスカリンも含むが、ムスカリン中毒を引き起こすほどの量ではない。

中毒症状

症状は摂取してから数時間ほどで現れ、激しい下痢、腹痛、嘔吐、血便などの症状を起こし、特に生で食べた場合は重度の胃腸系症状に至ってしまうとされる。

ただし食欲がそそられない色合いと不快臭からか、中毒例はほとんど報告されていない。

過去にこのキノコによる死亡例があったとされるが、詳細は不明。

余談

🍄このキノコはかつて、ヨーロッパの一部地域で食用にされていたという話がある。毒成分は水溶性なのか、長時間煮込むことで毒素を出来るだけ減らして食べていたのだろうか。当然ながら加熱しても食用にすることは推奨しない。

🍄同じく管口や柄の赤いイグチでは食用のアメリカウラベニイロガワリがある。その一方、猛毒菌であるバライロウラベニイロガワリも存在する。本種とは近縁関係にあり、同様に激しい胃腸系中毒を起こす。


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