
現代では様々なサブジャンルで溢れかえるヘヴィ・メタル。
時代と共に変わる音楽性の変化と、細かく枝分かれしてゆくジャンルが徐々にメタルシーンに多様性を生み出していきました。
その発展から予期せぬ変わり種バンドが現れることも。尖った個性、特殊なヴォーカル、テクニカルすぎる演奏…そうした変態音楽を貫くメタルバンドの誕生も界隈ならではです。
本記事はそんな特徴的だったり変態的で上級者向けともいえるメタル曲をご紹介していきます。
- Napalm Death / You Suffer
- Suffice / Sikth
- The Black Satans / The Satan Of Hell
- Neko Hacker / だーいすきだよ feat. をとは(Live版)
- Amidst the Grave's Demons / Suck My 401k ft. Chris Linck
- Grailknights / Moonlit Masquerade
- Le Scrawl / Solitary Confinement
- はるばな feat. すずしろ / Crack
- 冬もマシンガン / ねこねこソフト
- Caninus / No Dogs,No Masters
- 教 室 で バ ッ バ 気 持 ち 良 す ぎ だ ろ / ずんだもん feat. 四国めたん、春日部つむぎ
- Rammstein / Mann Gegen Mann
- iwrestledabearonce / tastes like kevin bacon
- Viraemia / Pit Of Pestilence
- Slaughterbox / Arrogance and The Loss Of Human Dignity
- Sunn O))) / It Took the Night to Believe
- Last Days of Humanity / A Divine Proclamation of Finishing the Present Existence
- sortsind / Drømme Om Evig Nat
- STALAGGH / Nihilistik Terrror
Napalm Death / You Suffer
1秒メタルです。正確な長さは1.316秒。
世界一短い曲としてギネスブックに掲載されています。
歌詞はワンフレーズの「You Suffer But Why」。訳すと「お前は苦しんでいる、だが何故だ」
どんなに忙しい人でも最短で聴ける音楽、それがユー・サファー
Liveでも何度か演奏されていますがご覧の通り一瞬です。合間にくしゃみをしたらもう聴き逃す短さ。
珍曲であると同時にLive現場ではファン的にも、絶対に聞き逃したくない一瞬のひと時なのです。
Suffice / Sikth
奇声メタルです。
存分に満たされた人生…なのに全てが上手くいかないと感じる苦痛、そこに希望と精神的強さを求めた歌詞。そんなメッセージ性とは裏腹に曲自体は非常にカオティック。
特に2:35を超えたあたりから「ばばばばばばばばばばばばんじょーバカー!!( ゚Д゚)」と訳の分からない奇声パートが展開され、毎回聴くたびに吹きます。
SikThといえば「Djent」の始祖として名高いですが、初期はマスコアをベースにスクリーモ、プログレ、チルアウトの要素に加えて、お互い声の異なるツインVoが奇妙な世界感を展開していました。
本曲は1stアルバムの日本盤ボーナストラックとしても収録されていますが、2002のEP版より音圧がやや抑えられていて後半の奇声パートがよりクリアに聴こえます(超豆知識)
The Black Satans / The Satan Of Hell
雪山ブラックメタルです。
籠った音質と低音演奏、ブラック恒例のがなり声。いかにも万人向けしないアンダーグラインドな音楽性ですが、その一方MVはかなりマヌケ。
ストレートにおバカMVを貫くElectric Callboyとは方向性が違うというか、
厳ついビジュアルの男たちが雪山でわちゃわちゃしたり、ポンコツダンスと謎の儀式(?)が流れる3分の光景は「何を見せられているんだ…」と心境に陥る、この感覚がたまらない。
ブラックメタルはネガティブなイメージも強い中、実際はこうした愉快なバンドもいることは知ってもらいたいです。
Neko Hacker / だーいすきだよ feat. をとは(Live版)
ヤンデレメタルです。本曲は13:01から。
元VTuber「をとは」が激しくシャウトします。
公式ではメンヘラソングの類ですが、ヤンデレの方が響きが良いのでヤンデレです()
Neko Hackerは独自ジャンル「Kawaii Future Rock」展開する音楽ユニットで、ギター演奏と電波ソングが融合したようなポップな曲構成が特徴。
しかしLiveになると場合によってCD音源を超えるヘヴィな演奏が露わに、特に本曲はメタルコア好きにも刺さりやすい。
時折出てくる妹系の萌えボイスとは対極的に、「なんで?なんで?なんで!!」や「どうせ女もいるんでしょ!!」など、
エモな感情爆発シャウト・スクリームが歌詞の内容相まって結構強烈です。
Amidst the Grave's Demons / Suck My 401k ft. Chris Linck
早口メタル…というか早口のレベルを超えた狂気です。
ありえない速度のスクリーム、グロウルのマシンガン。特に最後は悪意すら感じるほどの超スピード。当然Liveで歌うのは想定されていないでしょう。
カラオケ収録、是非お願いします(迫真)
…実はこちら、メタルバンドではなくYoutuber「Jarrod Alonge」が公開したパロディ曲。
元ネタは(たぶん)デスコアバンド「Attila」の Party With The Devil。ただし相当な魔改造っぷり。
Grailknights / Moonlit Masquerade
クサメタルです。まあクサい。
メタルにおける「クサい」とは「青臭い」。つまり青春です。
とはいえヘヴィメタルでクサいのは珍しくなかろうと考える貴方、この曲はレベルが違います。
ヒーロー的ビジュアルに安っぽいCGを加えた独特なPV。そして露骨すぎるメロディ。イマイチ曲に見合わないデスボイス(デスボ自体は上手)
これは明らかに上級者向けクサメタル。ぜひともニコニコ(コメ付き)でMVご視聴をおすすめします。
Le Scrawl / Solitary Confinement
ジャズグラインドです。
このバンドの音楽スタンスは基本的にジャズ・スカ。そこに突如としてハードコアな演奏やブラストビート、ガテラルも一緒に放たれる。
本曲は簡単に言うとジャズ&デスボイスです。
正反対な要素がとっ散らかった結果、どう考えてもまとまらなそうですが、
意外と良い。不自然すぎる組み合わせなのに聴ける。ただ人を選ぶ音楽なのは間違いなし。
はるばな feat. すずしろ / Crack
本記事の癒し枠。こういうのが一つはないと心が持たないです。
冒頭はいかにも音ゲー寄りな電波ソングから一変、ヘヴィサウンドを的確に叩きつけ、その対比に透き通った可愛らしいVoの声が魅力的に光る。
作曲は元バンドマンの「はるばな」。Voはイラストレーターの「すずみしろ(Vo名義はすずしろ)」
そう、Voはイラストレーター。大事なことなので2回言いました。
ブラストビート気味なドラム響くヘヴィネス、可愛いの化身・すずみしろ先生のおうた…つまるところKawaii Modern Metalですね。
冬もマシンガン / ねこねこソフト
エロゲメタルです。エロゲの曲なのでエロゲメタル。そのまんまです。
世間的には電波ソングですが、音的にはHR/HMにも分類できる。何ならラウドロック系に片足突っ込んでいると思います
本気を出した声優のヤバさが良く分かる一曲で、色々と群を抜いている早口語りパートがマシンガンの如く叫び散らされます。
特に「イヤアァァァァー!!!!!!!」「冬が呼んでるうぅぅぅ!!!!!」「受け止めてええぇぇぇ!!!!!!」は正に迫真の演技力。
凄まじい叫びに押されそうですが、演奏も中々ヘヴィで(歌詞のアレさも含めて)泣きのギターソロが印象的。
萌え萌えゆんゆん♪なイメージが極めて強い電波ソングとしては中々異質な一曲です。
Caninus / No Dogs,No Masters
アニマルメタルです。
このバンドのVoは犬。もう一度言いますね、犬です。
ヴォーカル=人間だと一体いつから錯覚していた?
けして悪ふざけのゲストVoではなく、れっきとした正式メンバー。ハードコアパンクなサウンドに2匹のピットブルがリズムよく吠え、唸ります。
こんな曲ですがちゃんと歌詞もあります。無論、本来の歌詞(?)は犬にしか分かりません。
他のバンドメンバー(人間)曰く、犬に歌わせた方がしっくり来たそう。
教 室 で バ ッ バ 気 持 ち 良 す ぎ だ ろ / ずんだもん feat. 四国めたん、春日部つむぎ
う〇こメタルです。
※煽りの意図はありません。そのまんまの意味です
作曲者はヤババイナで有名な「さたぱんP」。ずんだもんが色んな意味で危機的状況に襲われます。
その危機を正にメタルコアとして現した迷曲(?)です
とはいえ現代人にとって、こうした人生の終焉(社会的な意味)に陥りかけた経験はそう珍しいものではない……はず。
Rammstein / Mann Gegen Mann
本格的♂メタルです。
何をもって本格的なのかは置いといて、同性愛がテーマで曲名も和訳すると「男対男」…つまりそーいう曲です。
MVでは殆どパンツ一丁で歌うVoとギターや楽器でアレ♂を隠すバンドメンバー達、その他マッチョで肌テッカテカな全裸♂妖精たちが取っ組み合いをしています。
歌詞も当然ゲイに関するメッセージ性で込められ「オレの肌は紳士たちのためにある(和訳)」はゲイならではの心境なのかもしれない。
なお、Voはゲイではありません(念のため)。歌詞もゲイの友人に書いてもらったそうです。
iwrestledabearonce / tastes like kevin bacon
クマメタルです。なぜクマなのかと言うと、
バンド名のiwrestledabearonceを日本語に訳すと「私はかつて熊とレスリングした事がある」の意味を持つからです。
真相は不明ですが、曲の方もまあカオス。
初っ端からマスコア全開の不協和音リフ、Voは女性ながら当然のように叫び散らすシャウト・グロウルが炸裂。The Dillinger Escape Planを直球に過激にしたかの如く変態音楽が披露…
という感想は開始15秒まで。突如として(良い意味で)安っぽいクソダサ映像がおっぴろげ。
そこを過ぎると再び変態マスコアサウンドからの透き通った歌声が美しいクリーンパート。
極めつけはタララララ~ン♪の後にへたっぴラッパ音が流れた後、マスコアオチと言わんばかりのカオスが…
…いや説明より見た方が早いですね('ω')ノ
ここから先はブラック、ゴア、ブルータルな曲が中心です。
「音楽」とも言い難い代物が入り混じりますのでご注意。
Viraemia / Pit Of Pestilence
ピロメタルです。かなりピロい。聴けば秒で分かります。
ジャンルはブルータル・デスメタル。正統派デスメタルよりも残酷でアンダーグラインドな音楽…ですがこのバンドは驚くほどベースがテクニカル。
もはやヘンテコ感すらある不協和音のピロピロ音連発。
とはいえジャンルはブルデス。ツインVoの低音ガテラルと高音シャウトがお互い響く攻撃的なボイス。
変拍子マシマシのテクニカル演奏、Voの凶悪なデスボイス。知性と残虐がぶつかり合うサウンドはまさに変態デスメタルです。
Slaughterbox / Arrogance and The Loss Of Human Dignity
スピードデスコアです。
ギター2人とドラムも兼ねているVoという独特なメンバー構成の3人組ブルデスバンド。特徴はテクニカルな変拍子ギター、積極的なメロディパートなど、
何よりすっっっっっっさまじく早いドラム。オレでなきゃ聴き逃しちゃうね
その速度たるやBPM300を超え、音ゲー曲かと言わんばかりのスピードコアならぬスピードデスコアですね。デスコアバンドではないけど
Vo担当でもあるドラマーはガテラルやシャウトの他「ピッグスクイール」を吐き散らします。これが想像以上に豚。CDジャケを見ると納得ですね。
音ゲー収録されたら色々盛り上がりそうです(?)
Sunn O))) / It Took the Night to Believe
耳栓ドゥームメタルです。
なぜ耳栓なのかと言うとLiveでは凄まじい爆音によって耳栓着用を推奨されるからです。
本曲の特徴を述べると…
ゆっくりとした速度から重く圧し掛かる低音、地獄へ誘うようにがなり響くブラックなVo、スローテンポな重圧から聴き手の精神をじわりじわりと確実に落としていく…
そんなイメージにふさわしい一曲。これぞ上級者向けメタルです。
近年話題のドパガキ向け音楽とは真逆の方向性を突っ走るsunn O)))、みんなもぜひ聴いてね!
Last Days of Humanity / A Divine Proclamation of Finishing the Present Existence
ゴアグラインド…言ってしまえばそれ自体が上級者向けに等しいジャンル。その恐ろしさはサムネのCDジャケで存分に伝わると思います。本曲について真っ先に印象に残るのは、
めっっっっちゃエグイ低音デスボイス。まさにガテラルの鬼。通称「下水道ボイス」とも呼ばれます。
ゴアグラの特徴は一つ一つ短い楽曲、低音ガテラルに猟奇的な歌詞(ほぼ聴き取れないけど)、そして何と言ってもグロテスクなCDジャケ。
イラストなどの創作系なんてまだ優しいもので、死体写真をCDジャケにする悪趣味行為なんて珍しくない。
「検索してはいけない言葉」でもかなり危険度高めのワードに入るので「ゴアグラインド」を画像検索する際にも注意が必要。
ネタじゃないです。グロ耐性が無い方は気を付けてください。なんかゴアグラ語りだけで一記事書けそうな勢いですね。
最もアングラな音楽ジャンルを一つ述べよと言われたら是非一票したいです。
sortsind / Drømme Om Evig Nat
一言で表すなら「うわぁ‥w」です。
悪魔崇拝を標榜すると評されるブラックメタル。そんなジャンルでも特にアクが強く際立ったバンドがSortsind。レビューを書こう思えば…
狂気・絶望・地獄・絶叫。こんな単語がスラスラ出てくる。
特に本曲は開幕一秒で分かるほど凶悪で、音割れ鳴りやまない低音演奏が始終ドスドス鳴り響く。
何よりVoの叫び声。これが本当に尋常じゃなく、
「悪魔に取り憑かれた声」と例えても納得いく大絶叫。
シャウトの類ではない。まさに阿鼻叫喚。狂気のブラックメタルと言えばSilencerが有名ですが、音楽だけで言えばそれ以上に壊れている…と思います。
とびきり狂った音楽を聴きたい方は是非。
STALAGGH / Nihilistik Terrror
「音楽」とは何か(哲学)
STALAGGHはオランダのノイズ・アンビエント・ブラックメタルプロジェクトで、精神病患者の断末魔に等しい叫びと不快なノイズ音が特徴。その他いくつか噂話がありますが割愛。
粗悪な音質にグチャグチャな楽器音(?)と
何人で声を出しているのか分からないステキな超☆大絶叫が響き渡ります。
YouTubeのコメント欄を訳すと…
「初デートにピッタリの曲」
「とてもロマンチック」
「ジョギングに最適」
「お母さんが毎晩これを寝る前に歌ってくれた」
「歌詞希望!」
「カラオケバージョンはよ」
と絶賛の声で溢れているのが分かります。流石ですね。
その後STALAGGHの改名プロジェクトで「GULAGGH」というバンド(?)も立ち上げている。
グチャグチャなノイズ音が控えめで割と聴きやすい(?)
…と思いきやSTALAGGH以上に混沌とした叫び声を重点に当てており、男女平等の素晴らしい絶叫が響き渡ります。
しかも1曲45分という嫌がらせとしか思えない攻めた構成も中々イケてる。
音楽の評価で「狂っている」「ヤバイ」って基本褒め言葉だと思っているのですが、これは…いやまあその
STALAGGHもそうですが、突き抜けて壊れた音楽を追い求めると、
最終的に「音楽」と呼べるのか分からない代物ばかりになっていきます(~_~;)
いかがでしたでしょうか。
客観的には「言うほど上級者向けでもなくね」「これメタルじゃなくね」な楽曲が混ざっているような気もしないでもないですが、そこは個人の主観なのでご愛想。
どうも、コルティです。


























