最終更新日:2026年6月2日

皆さんはダイオウサソリをご存じでしょうか。毒針を持って危険なイメージの強いサソリですが、本種の毒性はミツバチ程度。
何よりサソリ最大級とも言われる体格で、飼育用では人気の高いサソリとして知られていました。
現在、価格高騰の影響で安価で飼える「チャグロサソリ」の方が人気ですが、それでもチャグロよりも大きく育つダイオウサソリはやはり魅力的です。
でも本題はここから。
このサソリについてよく言われるのが「最大30cmに達する」という話。
本当に30cmのダイオウサソリは存在するのでしょうか。
真実?それともデマ?
本記事ではダイオウ含むサソリ目の大きさにまつわる情報を述べていきます。
最大30cmは本当なのか
結論から言いましょう。
30cmのダイオウサソリはいません!
たまに「最大40cm!」とかなり膨張された情報もありますが、それはもう石炭紀時代レベルの話ですw
では最大サイズは20cm越えぐらい?と言われますと、これも微妙。
諸説ありますが、ダイオウサソリの最大記録は「22cm」。
でも正式記録では「17.5cm」と聞きます。
実際、20cmを超えるダイオウサソリは実物でも、画像や動画でも私が調べた限り確認できませんでした。
ダイオウサソリは成体でも平均的には10cm~14cm程度で、15cmを超えれば十分な大型サイズ。17cm以上の個体は現状かなりレアです。
虫皇帝に登場したダイオウサソリは一部「200mm」表記の個体がいますが、実際はサバ読みで推定14~15cm程度。
これはハサミや尻尾の毒針も体長に含めた結果そういう表記になったと思われ…(正確なサソリ測り方は頭部から伸ばした尻尾の先端まで)。
それにしても、17.5cmってちょっと期待外れ…と思っちゃいますが、
せっかくなら大きめ個体は見たいですよ…ねぇ?
ではこちら、例の17.5cmの記録と思われるダイオウサソリの標本をご覧ください。

いやデカいわ~!
ちなみに虫の標本は乾燥によって縮むので、生前は18cmに達していたかも…
22cmはこれより軽く一回り以上デカくなるわけで、
30cmがどれだけ非現実的なサイズなのかお分かりかとw
なお、ビリビリ動画では17cm級ダイオウの動画も見れます。
このあたりから「一般人がなんとなく想像するダイオウサソリの大きさ」って感じで良いですねえ。
【追記】2025年4月3日にXでとあるポストが投稿されました。
【生成AIではありません!】
— 甲虫標本専門店 花滝 -HANATAKI- (@Hanatakient) 2025年4月3日
圧倒的に巨大なダイオウサソリ(Pandinus imperator)の標本を夏の昆虫展に向けて準備中。
昨年同様、今年の夏も全国で開催される昆虫展へ標本を貸し出し予定です。どこかでこの巨大サソリが見られるかも!? pic.twitter.com/0HyHLuEURx
昆虫の王様、ヘラクレスの大型個体と比較してもこの圧倒的な迫力。とにかく重圧感があります。 pic.twitter.com/FXHRoBHlQu
— 甲虫標本専門店 花滝 -HANATAKI- (@Hanatakient) 2025年4月3日
!?
デカすぎでは!!!!????
一言「生成AIではありません」とわざわざ発言するほどの巨大個体。
1985年にコートジボワールで発見され、体長は22cmと平均サイズのほぼ倍。ハサミを含めると30cm達する個体だそうです。
ハサミを含めて30cm…?
そう、噂の30cmはハサミを含めた長さだったのです(正式な測り方ではない)
正直なところ、このポストを見るまでは22cmの記録は信じていませんでした()
真のサソリ最大種
実のところ、ダイオウサソリは最大種ではありません。記録上において本種を上回る世界最大サソリがいるのです。
その名も「インディアンジャイアントフォレストスコーピオン」(名前長('Д'))
ちなみに和名は「スワンメルダムオオハカリサソリ」(こっちも名前長(;^ω^))
学名は「Gigantometrus swammerdami」でインドに生息するこのサソリ、最大記録はなんと292mm。30cm級に片足突っ込んでます。
この記録からかつて世界最大(と言われてきた)ダイオウサソリは「30cmぐらいあるっしょ('ω')」と噂が広まったのかもしれません。
ただインディアンの最大サイズも諸説あり、23cm、もしくは24~25cm程度とも。292mmに達していた個体の標本も既に消失しているとされ、真相はやはり曖昧。
平均サイズはダイオウを上回る傾向にあるものの、29cmの記録には疑問が残るばかり。
そしてもう一つ世界最大の候補として「チタンオオハカリサソリ(G. titanicus)」という種があります。
こちらもインドに生息するサソリで一部の海外勢から「これこそ世界最大種!」と語られますが、現状かなり情報が少ないです。
YouTubeでは体重45gに達する超大型サソリの動画も見られますが、種類はインディアン、またはG. titanicusかと思われます。
その重圧は他のサソリとは段違いで重い体を歩かせずっしりと…
タイトルでは24インチ表記ですが、どう考えても間違いです。本当にありがとうございました
他にも似たような動画がいくつかありましたが、どれもかなり胡散臭いので割愛させていただきます。
なおダイオウやインディアンとは別に「フラットロック」と呼ばれる種が18cmの記録を出してます。殆ど尻尾で長さを稼いでるのは置いといて…
フラットロック
— 𝐉𝐎𝐇𝐍𝐒𝐎𝐍 (@JOHNSON_SCP) 2018年6月20日
なんと大きさ18cm!
ただ2/3が尻尾という...笑笑
本種 正式な最大記録ではダイオウサソリを超えているとかなんとか pic.twitter.com/zk5bhd0W2r
その数年後、19cmの記録も出ており、長さではダイオウサソリとインディアンに続く3番手という立ち位置になりつつあります。
交接でメスにハサミかち割られて結局死んでしまったけど
— 𝐉𝐎𝐇𝐍𝐒𝐎𝐍 (@JOHNSON_SCP) 2024年6月10日
19cm超えた。今まで飼育していたサソリの中で最大個体でした。 pic.twitter.com/Hgzaq1oVMp
その他、別名「オオダイオウサソリ」と呼ばれていた「ソウトウサソリ」なる種もありますが、記録上のサイズはダイオウサソリを下回っていたり。
サソリのCBは大きくならないのか?
サソリは野生個体(WC)に比べて繁殖個体(CB)は小さい。というのは飼育者の間ではよく聞く話です。
特にダイオウサソリは現在ワシントン条約の規制対象で、現在、日本で飼育されているダイオウの多くは繁殖個体になります。
じゃあ日本のダイオウはちっこいのばっかり…ということなのでしょうか?
実際のところ温度・湿度の管理や餌の頻度など適切な飼育法でWCと同等かそれ以上に大きく育てることもできるようです。
サソリの最終サイズアップ
— 𝐉𝐎𝐇𝐍𝐒𝐎𝐍 (@JOHNSON_SCP) 2022年2月11日
昔からサソリのCB/CHはWC程大きくならないと度々言われていましたが、実際にWCより大きくすることに成功しました。
写真の右の個体がWC、左の個体がCB個体です。WCは特に矮小ではなく一般的に流通するサイズです。 pic.twitter.com/7pToGG34CU
大きく育てるコツは「幼体時に餌を大量に食わせる」とのことです。
石炭紀のサソリ
現存種ではインディアンの29cmが最大記録ですが、
絶滅種を含めると石炭紀時代にいた「プルモノスコルピウス」が最大70cmに達していたとされています。
ただその時代は2メートルを超える超特大ムカデ「アースロプレウラ」や、歴史上最大級の昆虫と呼ばれる「メガネウラ」が存在し、サソリは少々影が薄く感じるかもしれません(´・ω・`)
まとめ
・30cmのダイオウサソリはいない(22cmが最大記録)
・実はサソリ最大種はインディアン(記録29cm)
・絶滅種には70cmのサソリがいた。
という感じなりました。
でも今後サソリを更に大きく育てる方法が確立されたら、22cmよりも更に大きなダイオウの記録が出てくるかもしれませんねぇ。