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アシベニイグチの毒成分・中毒症状など

最終更新日:2023年7月1日(画像はWikipediaより)

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アシベニイグチ(脚紅猪口、学名:Caloboletus calopus)は、イグチ科カロボレトゥス属に属するキノコの一種。当時はヤマドリタケ属(Boletus)に分類されていたが、のちに「カロボレトゥス属」に編入された。

種小名「calopus」は「可愛い足」という意味を持つ通り、アシベニの名に恥じぬ柄の鮮やかな赤と黄色のグラデーションが映える。ドイツ語の呼び名も「可愛い足のきのこ(Schönfußröhrling)」となっている。足フェチ向けイグチ。

その一方で日本で目立った有毒種が少ないイグチ科の中でも比較的強い毒性を持つことで知られ、味も強烈な苦味があるので口にしてはならない。

特徴

夏〜秋にかけて、針葉樹林、広葉樹林の地上に発生する。

中型〜大型で、傘はややフェルト状、色は帯緑黄褐色〜淡褐色。

菅孔は柄に対して離生し、黄色〜帯緑黄色で強い変色性を持ち、触れると一瞬で青色する。

柄は上部は黄色で下部は赤色で細かい網目模様がある。

味は非常に苦く、不快な臭いもあるという。

毒成分

アルカロイドの一種である「ムスカリン」を含むことが分かっている。

毒成分ではないが、アシベニイグチに含まれる苦味成分は加熱しても消えないため、仮に毒がなかったとしても食用にはならない。

中毒症状

摂取すると数十分〜1時間程で腹痛、下痢、嘔吐などの症状を起こし、重症な場合は脱水、アシドーシス、痙攣、ショックなどの症状を起こす。

その他にムスカリンを含むことからムスカリン中毒(発汗・流涙・流涎・瞳孔の縮小・ 徐脈・視覚障害・血圧低下・呼吸困難など)を起こす場合もある。

ただ苦すぎるのか、海外を含めて中毒例は殆ど報告されていない。

余談

🍄有毒で味も苦くて最悪。こんなキノコを好んで食べる人なんているわけがない…なんて思うかもしれないが、実はウクライナやロシアの一部地域では食用にされているという報告がある。加熱しても消えない苦味もある中、どのように調理して食べているのかは不明だが、世界は広かった。

🍄類似種としてニセアシベニイグチというキノコがあるが、傘の表面が赤褐色となっている、管孔が直生〜垂生し、何よりアシベニイグチと違って苦味がなく意外と美味しいという違いがある。ただ当時は可食とされていたが、体質によっては食中毒を起こすこともあり、現在では可食と有毒で見解が分かれるので食べるのはあまりお勧めしない。


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