最終更新日:2023年7月27日(画像はWikipediaより)
ネズミシメジ(鼠占地、学名:Tricholoma virgatum)とは、キシメジ科キシメジ属に分類されるキノコ。灰色で中央の尖った傘が特徴。毒キノコとして知られる。
外見が食用のシモフリシメジに似ており、しばしば誤食されるようだ。
特徴
秋、主にマツ、モミなどの針葉樹林の地上に発生し、時にブナ林から発生することもある。
傘は径4〜8cmで、初め円錐形で中央は突出しており、のち中央は突出したまま中高の平らに開く。表面は灰色の地に灰黒色の放射状繊維紋がある。
ヒダは初め白色、のち少々の灰白色を帯びる、柄に対して湾生し、やや幅狭く密。
柄は太く上下同大〜こん棒状、表面は白色で、繊維状の模様が見られる。
肉は白色、独特の苦味や辛味を持っている。
胞子は広楕円形で、大きさは、6〜7.5×4.5〜5.5μm程となる。
類似種
良く似たキノコとしてシモフリシメジ、アイシメジ(食用)などが挙げられる。
シモフリシメジは傘の色の違いや苦味を持たない点、ヒダと柄がクリーム色を帯びるなどの特徴で区別できる。
アイシメジは本種ほどではないが、僅かに苦味を持ち、ヒダの周辺に黄色を帯びる点で区別できる。
毒性
摂取すると30分〜3時間ほどで腹痛、下痢、嘔吐などの胃腸系中毒を起こす。ひどい時は脱水、ショック症状に陥るが、毒性はあまり強くないと思われる。
中毒例は平成元年〜22年にかけて、4件と14名の中毒者が報告されているが、死亡例は報告されていない。
余談
🍄ネズミシメジという和名は灰色の傘や、中央の尖った形状がネズミを連想させることから来たと思われる。
🍄種小名の「virgatum」はラテン語で「縞模様」を意味し、縞模様にも見える傘の放射状繊維が由来とされる。
🍄毒成分は現在のところ不明だが、トランス-2-ノネナール、インドール類などの成分が単離されている。インドール類は本種の特徴である辛味や苦味の成分と考えられている。
🍄本種は有毒であるが、同時に強い苦味、辛味があるため、どちらにせよ食用には適さない。味は最悪だが、意外にも良い香りがするらしい。ぶっちゃけ誰得な情報である。
毒キノコ図鑑 TOP↓