5月17日、吹上浜で行われたキノコ観察会に参加しました。
この日の前に何度か雨が降ったりしましたので、今日も雨で中止になってしまうのではと少々不安でしたが、この日は問題なく晴れていました。
探索する場所は海岸松林。うまいこと雨が降ったおかげか、結構な量のキノコを発見することができました。
この記事では観察会で撮影したキノコの写真の種類を一つ一つ紹介したいと思います。
なお、紹介するのはあくまで私のカメラで収めたキノコのみです。それに全部載せるとかしんどい
アカハツ
夏〜秋にアカマツやクロマツの樹下に発生するベニタケ科のキノコ。
パッと見ハツタケとよく似ていますが、傘の色が異なる。
ただ、ハツタケと同様、ひだを傷つけると青緑色になる特徴があります。
・・・あれ?ちょっと待ってください。まだ5月ですよ!?
普通は秋に見られるキノコがなのですが、この時期に見れるとは、正直驚いた。
アミタケ
夏〜秋にアカマツ、クロマツの樹下に発生するイグチ科キノコ。
松林、そしてイグチ科を代表するキノコの一つといっても過言ではありません。
日本では独特の粘性が好まれ、食用キノコの一つとして有名で一部の地方では「イクチ」とも呼ばれます。
まさか5月にイクチが見れるとは思わなかった。でも話によれば春にも見られることもあるそうな。
あと裏はこんな感じ。
イグチ科の特徴として、まず傘の裏がひだ状ではなく管孔(網目やスポンジみたいな感じ)になっているの特徴です。
そしてアミタケの管孔は柄に垂生している。この特徴を持つイグチは少なく、判別は安易なものです。
その後も何度かアミタケを見かけましたが、どれもこれも虫食いが激しく、残念ながら新鮮なものはほぼ見つかりませんでした。
ウラムラサキ
夏〜秋に林内の地上に発生するキノコ。
小型で、色は全体的に紫色ですが、乾燥すると淡褐色になります。
ちなみに図鑑によると食用になるそうですが、大きさ的にもあまり食欲が湧きませんね。
シロハツ
夏〜秋に色んな林内の地上に発生するベニタケ科のキノコ。
全体的に白色なのが特徴ですが、古くなると黄土色になることもあります。
食用。それなりに良いダシになるようですが、肉はボソボソしていて口あたりは悪く、図鑑によっては不食扱いだったりする。
有毒のシロハツモドキに似ていますが、本種に比べてモドキはヒダがかなり密になっていることから区別できる。
チシオハツ
夏〜秋に、マツ林内の地上に発生するベニタケ科のキノコ。
傘の表面は赤色〜暗赤色で、湿ったときは粘性があり、表皮は剥がしにくい。
毒は無いが、辛みがあるので不食となっている。
ドクベニタケによく似ていますが、本種は表皮は剥がれやすく、ヒダや柄の色でも区別も可能です。
ヒイロタケ
春〜秋に広葉樹の枯木上に発生するサルノコシカケ科のキノコ。
傘は半円形〜扇型で、表面の色は朱紅色〜鮮紅色だが、古くなると白っぽくなる。
また、傘の裏は管孔になっている。柄は殆どない。
シュタケと酷似しているが、ヒイロタケと比べて傘が厚く、管孔が大きい点で区別できる。
ツノマタタケ
春〜秋に枯れた倒木上に列をなして群生する小型菌。
色は鮮黄色で、形はヘラ形〜扇形となっており、肉はにかわ質〜軟骨質、わずかに粘性を持つ。
アカキクラゲ科の一種でキクラゲに近い仲間だが、不食となっている。
まあ食欲をそそるような大きさではないので、当然といえば当然か。
ヌメリガサ科
ヌメリガサ科の一種と見て間違いないですが、残念ながら正確な種類までは分かりませんでした。
アキヤマタケあたりじゃないですかね。
ヒロハチチタケ
夏〜秋に落葉樹林の地上に発生するベニタケ科チチタケ属のキノコ。
栃木県内で非常に人気の高いチチタケ・・・に良く似たキノコですね。
まずチチタケ属の特徴として傷つけると乳液を滲み出すという点が上げられる。この特徴からドクササコなどの毒キノコと簡単に区別できる。
このヒロハチチタケはチチタケによく似ていますが、チチタケと比べてヒロハチチタケは傘の色が明るく、ヒダが疎、乳液が変色しないという点から区別できます。
今年はヒロハチチタケの当たり年でしょうか?
あたりを見渡せばそこらじゅうにウジャウジャと・・・もう採りきれない程多くありました。
本種は食用になりますが、チチタケと比べると知名度がかなり低いです。
なぜだろう。チチタケよりも味が劣っているのか、それとも発生量が少ないからなのか。
真相は分からないが、後者だとしたらこの大量発生は非常に珍しいものだと想像してみる。
チチアワタケ
特徴は以前作ったチチアワタケの記事を参照。手抜き乙
写真でも分かるように、かなり小さな個体です。
松林なので、もっと多くのチチアワタケが見れると期待していたのですが、発見したのはこの1個のみでした。
不明
見た瞬間声が出るほど大きなキノコを発見。
全体的にそこそこ特徴的な外見をしてますが、残念ながら種類が分からず。
結局なんだろうね、これ。
クロトマヤタケ
夏〜秋に針葉樹林ことに砂場の松林内に群生するフウセンタケ科アセタケ属のキノコ。
傘の表面は暗褐色で繊維状。ヒダは疎で灰褐色。柄は繊維状で下部は暗褐色、上部は淡色。
アセタケ属の多くは毒成分のムスカリンを含み、食べると汗が吹き出ることで知られる。
このクロトマヤタケも例外ではなく、毒キノコの一つとして知られています。
本日初の毒キノコですね。
ツルタケ
夏〜秋に針葉樹林、広葉樹林の地上に発生に発生するテングタケ科のキノコ。
傘は灰色で条線がある。ひだ、茎ともに白く、つばは無い。
テングタケでは珍しく食用になりますが、生食は中毒。さらに有毒のツルタケダマシによく似ているので注意。
ツルタケダマシにはツバがある点で区別できますが、基本的に手を出さない方が無難です。
クロハツ
夏〜秋に林内の地上に発生するベニタケ科のキノコ。
傘は初め灰白色〜灰褐色で、のち黒褐色となる。ヒダは白色〜クリーム色、のち黒色となり、疎。柄は白色。
毒性や近縁種のニセクロハツ・クロハツモドキの見分け方に関してはニセクロハツの記事を参照。
ということで本日二つ目の毒キノコですね。
ニオイカレバタケ
夏〜秋に林内の落ち葉間に散生、群生するキシメジ科モリノカレバタケ属のキノコ
傘の表面は帯紫赤褐色で、縁部に放射状の条線がある。ヒダと柄は傘とほぼ同色。
ニンニクのような臭いがするらしい。
ムラサキナギナタタケ
夏〜秋にクロマツ林などの地上に群生するシロソウメンタケ科のキノコ。
子実体は平たい棒状〜円筒形で、色は全体的に灰紫色。
外見からは想像できませんが、食えます、一応。
無味無臭ですが、食用として用いられることもあるとか。
不明
木から生えているようにも見える大型のキノコ。
ツエタケあたりじゃないですかね。
その他(謎キノコ)
はい、種類が分からないんじゃ何も言うことがないです。
取りあえず写真で収めたキノコはこんなところかな。
その後、昼飯を済ませ、集めたキノコの種類を判別。
しかし、あれだね。種類の判別がすんごい楽。
前みたいに一人で一つ一つの種類を何時間も掛けて調べるのは疲れますし、キノコにとても詳しい方がいるのは本当に頼もしかったですね。観察会は初めてでしたが、とても楽しかったです。
きのこ観察会に参加したみなさん、おつかれさまでした。
その日の夜、ヒロハチチタケを醤油、砂糖で煮て食べました。
食感はボソボソした感じであまりキノコを食べてる感じがしませんでした(調べてみるとチチタケも同じ食感らしい)。味に関してはチチタケの方を食べたことがないので比較はできないが、そこそこ美味しい。特に不味いという感じはないですね。
6月には慈眼寺でキノコ観察会があるそうなので、そちらにも参加する予定です。