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クロハナビラタケの特徴・毒性など

最終更新日:2017年8月5日

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クロハナビラタケ(黒花弁茸、学名:Ionomidotis frondosa)とは、ビョウタケ科クロムラサキハナビラタケ属に属するキノコの一種。その外見からキクラゲ(食)の仲間のように思われがちだが、本種は子嚢菌類でキクラゲとは類縁関係が非常に遠い。

本種は小型の子嚢菌門では珍しい毒キノコの一つであり、注意が必要。その他に子嚢菌門の有毒種としてシャグマアミガサタケ、麦角菌(バッカクキン)などが知られる。

また、同属のキノコではムツノクロハナビタタケ、クロムラサキハナビラタケなどが存在し、本種と同じく有毒の可能性がある。

特徴

主に秋〜冬にかけて、シイ・カシなど広葉樹の倒木や切り株の上に発生する。日本特産として知られ、海外では見られない種である。

子実態は花びら状、色は全体的に暗紫褐色〜黒紫色で、柄はほぼない。湿ったときは弾力性があるが、透明感は

表面(子実層面)は始めやや平滑、のちシワが生じ、やや光沢がある。縁は波状にうねる。

裏面は粒状で、ざらつきがあり、色はオリーブ褐色を帯びる。
水酸化カリウム溶液をたらすと紫色の色素を出すが、類似種との区別に重要な特徴の一つである。

胞子は子嚢の中で作られ、形は惰円形〜ソーセージ形、大きさは4.2〜5.6×1〜14μm程となる。

類似種

良く似たキノコとしてキクラゲ(食)、クロハナビラニカワタケ(食)などがあるが、これらは本種と分類が大きく異なる。

特にクロハナビラニカワタケは乾燥した個体では区別が難しい。 本種との違いとして表面が平滑であること、坦子器に卵型の胞子を作ること、水酸化カリウム溶液で緑色の色素が浸出する点などで区別ができる。

毒性

毒成分は現在のところ不明。

その毒性は比較的高く、摂取すると激しい腹痛、下痢、嘔吐など、主に胃腸系中毒を起こす。

中毒事例に関する詳細は不明だが、死亡例はないと思われる。


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