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【危険】最強の毒キノコトップ50ランキング 50位〜21位

最終更新日:2023年8月9日

 

これは一人の毒キノコ愛好者が

独断と偏見で作ったランキング記事です

それを踏まえた上でご閲覧ください

 

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秋の味覚の代表といえば「キノコ」

スーパーで安価で買えるようになっても、普段味わえない特別な「美味」を求めて天然キノコを採りに行く人も少なくない。

その一方、毒キノコの食中毒が毎年絶えないのも事実だ。

本記事ではそんな危険あふれる毒キノコの数々をランキング形式で紹介する。ランキングの基準に単純に「毒性の強弱」である。

また記事の都合上、一部のキノコはハブられてしまうが。あまり深いことは考えず「へー、こんな毒キノコがあるんだなー」くらいの気持ちで見ても良いだろう。

50〜41位は以下の通り。名前と順位だけをまとめて紹介する。

50位 サクラタケ
49位 アンズタケ
48位 ガンタケ
47位 チチアワタケ
46位 アカヤマタケ
45位 ツリカブリ
44位 ウラグロニガイグチ
43位 シロハツモドキ
42位 ナカグロモリノカサ
41位 ネズミシメジ

50位〜46位は微量の毒成分が単離されていたり、体質によって中毒を起こす程度のものである。

45位〜41は軽い胃腸系中毒を起こす程度の毒性を持っている。(ただしウラグロニガイグチは生で食べると激しい中毒を起こす)

40位以降は一つずつ紹介していく。

40位 ベニテングタケ

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その姿は語るまでもなくザ・毒キノコ

ヨーロッパでは幸福のシンボルとして親しまれ、スーパーキノコのモデルにもなったり、世界的にも有名な毒キノコの代表格である。

一方でイボテン酸、ムッシモール、ムスカリンなどの毒成分が含まれ、これを食べてしまうと多種多様の症状が現れる。

具体的に言うと、胃腸系では腹痛、嘔吐、下痢。副交感神経系では流涎、発汗、縮瞳。交感神経系では頻脈、散瞳、心拍数増加、腸閉塞。中枢神経系では錯乱、運動失調、幻覚、興奮、抑鬱、痙攣などの症状が現れ、酷い場合は昏睡、呼吸困難などに陥る。貴様!読み飛ばしたな!

一言でまとめると「中毒症状のガトリングガン」である。ただ幸いにも毒性自体は弱く、よっぽど大量に食べない限り死に至ることは無いだろう。

39位 ヒトヨタ

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一夜で溶けてしまう事から名付けられたヒトヨタケ。

普通に食べれば何も症状は出ないが、アルコール分解を阻害する毒素を含み、お酒と一緒に食べると酷い悪酔いを引き起こしてしまう。

主な症状は顔・首・胸などの紅潮、めまい、頭痛、発熱、悪心、嘔吐、動悸、呼吸困難、血圧低下による頻脈、痙攣など。重傷な場合は昏睡状態に陥る。

毒性はさほど強くなく、症状は数時間ほどで収まる。

38位 オオワライタケ

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名前からして嫌な予感しかしないが、例によって毒。ちなみに有名な毒キノコ「ワライタケ」とは生物学的に類縁関係は薄い。

これを食べると5〜10分ほどでめまい、寒気、悪寒、ふるえなどの神経系の症状が現われ、重症な場合は幻覚、幻聴、異常興奮、狂騒状態となってしまい、

時に視力障害で見るもの全てが赤く見える症状も報告される。

ちなみに「オオワライ」という名は大笑いする症状からではなく、顔の神経が痙攣して笑っているように見えたことが名前の由来。こわっ

毒性自体はあまり高くないので、死に至ることはまずないだろう。

37位 カキシメジ

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名前も見た目も美味しそうなキノコであるが、やはり有毒。よくある「毒キノコは毒々しい色をしている」の迷信が役に立たない好例と言える

三大誤食キノコの一つとして知られるが、年々カキシメジの中毒件数は減少しており、近年では中毒者が0の年も珍しくない。カキシメジはオワコン

主な毒成分はウスタリン酸で、他にも青酸を生産する能力があるが、ごく微量であるため気にする必要はない。ペロッ…これは青酸カリ!

食べると30分〜3時間ほどで頭痛を伴った嘔吐、腹痛、下痢などの症状を起こしてしまう。

毒性はあまり強くないのか、死亡例はまだ報告されていない。

36位 ヒカゲシビレタケ

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見た目は地味だが、このキノコはいわゆる「マジックマッシュルーム」の一つに分類される。

麻薬及び麻薬原料植物に指定されており、採取しただけでも罰せられてしまう。

本種に含まれる幻覚成分「シロシビン」は主に中枢神経系に対して作用。

食べると悪心、めまい、幻聴、幻覚、精神錯乱、麻痺、手足のしびれといった症状が現れ、一時的とはいえ人の精神を狂気に陥れてしまうだろう。

このキノコの毒性自体で死亡することはまず無いが、他の種に比べてシロシビンを多量に含むので注意が必要。

35位 コテングタケモドキ

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あまり有名なキノコではないが発生量はかなり多く、目にしたキノコハンターは多いだろう。名前に「コ(小)」と付いているにも関わらず、実際は大型種である。食用であるチャタマゴタケに似ているので注意。

毒成分はGABAの生合成を阻害する不飽和アミノ酸が複数含まれる。

食べると30分〜数時間ほどで吐き気、嘔吐、下痢などの胃腸系中毒に加えて、めまい、手足のしびれなどの神経系の症状を起こし、時に痙攣をきたす場合もある。

腎不全を起こした例もあるが、死亡例は報告されていない。

毒性に関しては猛毒、強毒、弱毒など、様々な説が寄せられるが、ブログ主は猛毒のテングタケに比べれば毒性は低いと考え、この順位となった。

試食記録では何も症状が出なかったことから無毒説もあるが、実は極めて酷使した食用キノコが存在し、これと誤食された可能性が高い。

34位 キイボカサタケ

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全体が黄色。傘の上のイボが特徴となる。図鑑では食毒不明(一部では「毒?」)として扱われるが、ぼほ毒キノコと考えて良いだろう。

近縁種のアカイボカサタケ、シロイボカサタケなどもあるが、いずれも有毒なので口にしてはならない。

症状は悪心、嘔吐、腹痛、下痢など胃腸系中毒を起こし、重症な場合は脱水状態に陥ってしまう。

毒性はあまり高くないと考えられていたが、日本では2007年にこのキノコによると思わしき死亡事故が報告されている。

33位 アカヒダワカフサタケ

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動物の死体や排泄物などが分解した跡に発生する、いわゆるアンモニアと呼ばれるキノコである。毒とか関係なしに食べたくない。

かつては食毒不明であったが、マウス動物実験によって毒キノコであることが判明した。症状は下痢などの胃腸系に加え神経系の中毒を起こすと思われる。

毒成分はマウスに対する致死性が確認されており、腹腔内投与または経口投与すると上行性麻痺を起こし死亡させる。中毒例は報告されていないが十分に注意したい。

32位 ドクベニタケ

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見た目からして毒キノコ臭が漂うが、実際に有毒。というか名前でネタバレしてる

派手な色は勿論、味に関しても人の想像を絶するものとなっている。

一言で言うなら「超辛い」。唐辛子やワサビのような辛さではなく化学的なものである。仮に毒は無くても辛すぎて食用にはならないだろう。

症状は腹痛、下痢などの胃腸系中毒に加えてムスカリン中毒(主に発汗、唾液分泌、流涙など)を引き起こす事もある。特に生食で中毒しやすい。

日本における中毒例は報告されていないが、海外ではこのキノコによる死亡例が報告されている。

31位 クロハツ

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かつては食菌として親しまれていたが、近年になってからニセクロハツと同様、毒キノコ疑惑が浮上し始めた。

現在では殆ど食べる者はいないが、逆に言えば犠牲者が出なくなっただけでも良かったとも言える。

ドクベニタケと同様、生で食べると中毒しやすい。症状は悪心、嘔吐、下痢などの症状を起こし、ひどいときは全身の痛み、麻痺などの症状が現れ、死亡することもある。

昔から生食で中毒しやすいことは知られていたが、死に至らしめる程の毒性とは誰が予想したことだろう。

30位 ニセショウロ

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一応言うと、これはネタとしての偽物ではなく実際に存在するキノコの一種である。

名前の通り食菌であるショウロによく似た姿をしているが、類縁関係は殆ど無い。ショウロと誤食され中毒した例が報告されている。

摂取すると30分〜3時間ほどで腹痛、下痢、嘔吐などの胃腸系の症状を起こす。時に発熱、皮膚の蒼白、蕁麻疹、めまいなどの症状が現れ、ひどい場合は失神に陥るという。毒性はやや高め。

29位 テングタケ

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世界的にも有名な毒キノコであるベニテングタケの近縁種。ハエ取りとしても利用されていた事から別名「ハエトリタケ」とも呼ばれる。

あまり知られていないが、日本ではこのキノコによる中毒例はテングタケ類の中で最も多い。

主な毒成分はベニテングタケと同じイボテン酸、ムスカリンなどで、摂取すると30〜2時間ほどで眠気、めまい、悪寒、吐き気などの症状から始まり、下痢、嘔吐などの胃腸系中毒起こす。

さらに中枢神経系に作用して精神錯乱、運動失調、興奮、抑鬱、痙攣などの症状を起こし、時に幻覚を見ることがある。

様々な種類の毒素を含むので、多量に食べるとムスカリン中毒(流涎、発汗、縮瞳など)に加え、重症な場合は昏睡、呼吸困難など、摂取量が多いほど症状は複雑になる。

毒性は簡単な話、ベニテングタケの上位互換である。死亡例も報告されているため油断は大敵だ。

28位 クサウラベニタケ

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地味な色合いだ。その姿からパッと見ても毒キノコとは判断しづらい。このキノコは毎年のように食菌と間違われ、多くの中毒者を出している「三大誤食キノコ」の一つである。

地味な色だけでなく環境によって個体差も激しく厄介な事この上ない。同定も難しく「名人泣かせ」の異名を持つほど。

摂取すると10分〜数時間ほどで腹痛、下痢、嘔吐などの症状を起こし、多量に摂取するとムスカリン中毒を引き起こすこともあるという。死亡例があるらしいが、詳細は不明。

27位 ツキヨタケ

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毎年のように悪い意味で話題になるのがこのツキヨタケ

見るからに旨そうだが、三大誤食キノコの一角。秋になるとシイタケ、ヒラタケ、ムキタケなどの食用と間違え中毒するケースが後を絶たない。

日本ではキノコ中毒の約3分の1を埋めており、キノコ狩り初心者に立ちはだかる天敵の一つである。

食べると嘔吐、腹痛、下痢などの症状が現れるが、格別に酷い時は痙攣、脱水、アシドーシス、ショックなどを起こす。

死亡率は1%未満で滅多に重症に陥らないが、ツキヨタケ級の毒でも「インフルエンザが天国に思えるほど症状が苦しい」と意見が出るレベルなので、並の毒キノコを侮ってはいけない。

26位 ヒダハタケ

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一見無毒に見えても有毒。当時のヨーロッパでは食用とされていた歴史がある。元々生食で中毒しやすい事で知られるが、問題は別にある。

このキノコの毒性は他と大きく異なり、最初の内は口にしても症状は出ないが、食べ続けることによって次第に体を蝕み、ある日突然発症することがある。

初めは軽い症状で済むこともあるが、それでも食べると一段と症状が重くなり、やがて命を奪うほどの重症に陥る。

症状としては腹痛、嘔吐、虚脱、下痢に加え、ひどいときは溶血による黄疸、乏尿、腎臓の痛みなど臓器不全で死亡する。

これらの症状はほんの一部であり、実際は体質によっても大きく変わる。日本における中毒例は現在のところ報告されていない。

25位 クロハナビラタケ

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あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

「おれは 採ったキクラゲを食っていたと
思ったら 激しい下痢に襲われていた」

な… 何を言っているのか(ry

…と、言う人が居たら間違いなくクロハナビラタケの仕業だろう。小型の子嚢菌類では珍しい毒菌の一つで食菌のキクラゲやクロハナビラニカワタケに似ており、特に乾燥した個体は同定が難しくなる。

これらの食菌と誤食されるケースも報告されていることから十分な注意をしておきたいところ。

食べると激しい腹痛、下痢、嘔吐など強烈な胃腸系中毒を起こす。死亡例こそ報告されていないものの、毒性は比較的高い。

24位 ヒョウモンクロシメジ

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あまり聞きなれない名前だが、世界的には有名な毒キノコの一つで「タイガー・トリコローマ」との異名を持つ。

傘はヒョウの如くまだら模様となり、全体的に黒っぽいことから付いたのがこの和名だ。本種の学名である「pardinum」にもヒョウのようなという意味がある。

症状は嘔吐、下痢、発汗などが主だが、クロハナビラタケと同様に症状は激しく、酷いときは脱水、稀に痙攣を起こすこともある。

ごく少量であっても発症するが、死亡例は今のところ報告されていない。

23位 ヘビキノコモドキ

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テングタケ類ではよく見られる種の一つで目にしたキノコハンターは多い。見た目から漂うヘビのような雰囲気から食欲は湧かない。これを口にした者はごく稀。

「モドキ」と名が付いているが、本家ヘビキノコは存在しない(キリンタケの別名として呼ばれることはある)。

毒性は比較的高く、中国の中毒例では幻覚、昏睡状態などに陥ったとされる。アマトキシン類を含むことから多量に食べると重篤な症状を引き起こす可能性もあり。

22位 タマゴテングタケモドキ

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 ヒダが赤みを帯びるのが特徴のキノコであり、別名「アカハテングタケ」とも呼ばれる。名前を見るとタマゴテングタケの近縁種に思うかもしれないが、実際は全く似ておらず、どちらかと言えば食用のタマゴタケに近縁する。

食べると6〜12時間程で激しい腹痛、嘔吐、下痢などの胃腸系中毒や、腎・肝臓障害などを引き起こす。猛毒のテングタケ類に比べれば劣るものの、毒性は高い部類に入るだろう。

 なお、本家タマゴテングタケの方は、モドキよりも遥かに毒性が高く危険な存在であるが、20位〜1位の記事に登場するので、そちらに乞うご期待!

21位 ヒメアジロガサモドキ

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危険な猛毒種として有名なコレラタケの近縁種。モドキと付くように、本家ヒメアジロガサも存在するが、そちらも猛毒である。小型種であるが、形態はヒメアジロガサと酷使しており、見分けがつかない。

あまり研究が進んでおらず毒性の詳細は不明。なので現時点では順位はやや控えめであるが、コレラタケと同様にかなり猛毒の疑いが強い

現に過去では中毒者が出ているために、毒キノコであることは間違いないであろう。

 

次のパート(20位〜1位)に続く

coruthi.hatenablog.com