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【地獄級】最強の毒キノコトップ50ランキング 20位〜1位

最終更新日:2023年8月9日

 

これは一人の毒キノコ愛好者が

独断と偏見で作ったランキング記事です

それを踏まえた上でご閲覧ください

 

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日本で毎年起こる毒キノコによる食中毒。

キノコ狩り文化が盛んな国とはいえ、そうした悲劇は出来るだけ避けたいもの。

ただ「天然キノコ」が格別美味しいなんて知れば居ても立っても居られない、それが欲なのだ。

日本ではおよそ5000種類のキノコがあるとされ、毒キノコは200種程度、猛毒は20種前後ある。症状も種によって多種多様。世界に目を向ければ規模はもっと大きい。

本記事ではそんな毒キノコの数々をランキング系形式で紹介していただこう。順位付けの主な基準はシンプルに「毒性の強弱」である。

50位~21位までの記事はこちら↓

coruthi.hatenablog.com

ランキングを見る前に一言、

 


この先は地獄の様な猛毒菌が大勢でてきます

それでも進みますか?







OK?

 

 

20位 スギヒラタケ

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スギ林に発生。当時は食用キノコとして親しまれていた。

缶詰の販売や人工栽培の研究もされていたが、2004年に思わぬ事件が発生。

この年の秋、スギヒラタケを食べて急性脳症をきたした患者が次々と報告されたのだ。東北・北陸では9県の広範囲で59人の発症し、17人が死亡。この大惨事によって今までの信頼は一斉に打ち砕かれた。

突然変異による有毒化の噂もあったが、実際は元から毒キノコだった説が最有力。2003年10月のSARS流行で感染症法が改正されて急性脳症の報告が義務付けられたのも、この説を裏付ける。

誰も気づかなかっただけで中毒者は過去1500人以上という噂も…

症状は数日〜数週間の長い潜伏期間を経て、上肢振戦、下肢脱力、発語障害などの運動障害、意識障害、麻痺、全身の痙攣、原因不明の急性脳炎などの症状を起こし、最悪死に至る。特に腎障害を抱える人が発症しやすい。

19位 ドクヤマドリ

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「イグチに毒なし」の神話を破壊した元凶

新種発表されたのは1995年だが、もっと過去へ遡ると、

長野県で「太平」という男がこのキノコを食べて中毒死したことから「タイヘイイグチ」と呼ばれ、古くから存在が知られていた。

イグチ類はあまり有毒種が見られないが、本種は毒キノコ全体で見ても強毒。

症状は腹痛、下痢、嘔吐などの胃腸系中毒を起こし、最悪の場合は脱水状態により死に至る。時に腎障害をきたす例も。

とある中毒例の記録によると…

一本のドクヤマドリを柄だけスライス。鉄板でつけ焼きにして5人で食べたところ、

食後4〜5時間後に腹部に強い不快感を抱き、下痢・嘔吐が数時間ほど続いた。その後、少しずつ快方に向かっていったという。

18位 オオキヌハダトマヤタケ

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アセタケ類の一種。アセタケとは食べると大量の汗が噴き出る症状が出るのが名前の由来で、これは毒成分「ムスカリン」よって作用される。

アセタケ類は大半が有毒で、特にオオキヌハダトマヤタケは一説にベニテングタケの100倍以上のムスカリン含むとされ、一部では猛毒とも言われる。

食べると15分〜数時間で唾液の分泌、発汗、流涙などの症状を起こし、嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸系や痙攣、瞳孔の縮小、徐脈、視覚障害、血圧低下をきたす。

ひどいときは昏睡、心臓発作、呼吸困難によって死に至る。

死亡例があるらしいが、詳細は不明。

17位 オオシロカラカサタケ

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白い地に覆われた鱗片が特徴。日本では当時、一部地域でしか見られない熱帯性キノコだったが、地球温暖化と共に日本列島へ北上。分布地も確実に広がって中毒者も増えている。

食べると1時間〜3時間後に激しい腹痛、下痢、嘔吐などの消化系の症状に加え、発熱、悪寒、頭痛、痙攣などの症状を起こし、時に血便になる場合も。毒性はかなり強い

とある中毒記だが、これを食べたところ…

2時間半後に凄まじい嘔吐の連鎖をおこし、極度の疲労で歩行さえ困難に。

やがて溝の横で寝そべり、胃液しか出ない状態でも繰り返す嘔吐で朦朧とした意識の中、死の扉に吸い込まれるような幻覚を見てしまう。

徐々に回復したが、真夏の日差しを受けても続く悪寒、立てば貧血、歩けば酷い筋肉痛。翌日、体重を測ったら5kg減っていた。

これは一本食べただけで起きた悲劇である。幸いにも死亡例はまだないが…

16位 ニガクリタケ

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名前通り苦いのが特徴のキノコ。その苦味自体がニガクリタケの毒成分とされる

摂取すれば3時間程で激しい腹痛、嘔吐、下痢、悪寒などに苦しみ、

重症の場合は脱水症状、アシドーシス、痙攣、ショック、手足の麻痺などを経て神経麻痺、肝障害などを引き起こし、最悪死に至る。

時に見るもの全てが紫に見える色覚異常をきたす事も…

しかも加熱すれば苦味が消えて毒はそのまま、美味しい毒キノコになってしまう。なんとタチの悪い…

また、1956年の青森県で以下のような事例がある。

家族6人(父、母、子供4人)がこのキノコを採取して佃煮で食べたところ、嘔吐、下痢、痙攣、神経麻痺を起こし意識不明の重体に。

父と母は回復したが、摂食2日後に3人の子供が死亡。1人は一時意識が回復したが、体に不気味な紫斑が現われ、摂食4日後に急死……

…日本のキノコ中毒で最も悲惨な例の一つだろう。

15位 トロギア・ヴェネナタ

当時、中国の雲南省で人々が謎の突然死を起こす例が多発していた。過去30年に渡って犠牲者は400人に達すると言われる。

後に2010年、中国の研究グループによりTrogia venenata(トロギア・ヴェネナタ)が原因と判明。日本では未記録のキノコである。

毒成分はアルキン含む複数のアミノ酸で、重度の低血糖を引き起こす。

症状は軽症だと軽いめまいや疲労感などが出てくるが、より重くなると動悸、胸の不快感、発作が現れ、失神を何度も繰り返すことも。

重症では異常な血糖値の低下による心室頻拍、心室細動を引き起こしたのち、昏睡、急性心不全によって死に至る。

だが死者の3分の1は「間」に自覚症状がなかったという。

ある者は突然パッタリと倒れてそのまま息絶え、

ある者は睡眠から二度と目覚めないまま息絶えた。

…文字通りの突然死である。

毒性が判明してから雲南の人々にこのキノコを食べないよう報告。それ以降、突然死はほとんど見られなくなった。

14位 コレラタケ

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江戸時代に恐れられた感染症コレラ」の名を持った毒キノコ。元々「ドクアジロガサ」という和名だったが、

毒キノコとしての注意を強く喚起しようとコレラタケに改名ちょっと不憫

形態はあまり特徴らしいものが無く、正確な同定には知識を蓄える他ない。

毒成分はアマトキシン類を含み、食べると10時間〜24時間程でコレラの如く激しい嘔吐、腹痛、下痢などの症状に見舞われてしまう。

感染症コレラは脱水症状が主な死亡原因であるが、

コレラタケは違う。消化系症状だけでなく数日後に腎臓や肝臓などの臓器に大きな障害をもたらす最悪は死も免れないだろう。

ただ患者の死亡率から判断すると致死性はトップ10勢よりもやや低いと思われる。

13位 ドクキツネノカラカサ

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キツネノカラカサ属の一種。あまり聞きなれない名前だが、

シンプルに「キツネノカラカサ(可食)」の有毒版と考えればイメージしやすいだろう。

ただ和名を持ちながら実は日本未記録いずれ日本で見つかるかもしれないよ…

非常に毒性が高く、毒成分は上と同様アマトキシン類を含む。

つまりコレラタケと同じく、

食べると激しい嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸系の症状が現われ、その後、重い腎・肝臓障害を引き起こす。重症だと命の危機に陥る。

12位 ドクササコ

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あまり目立った形態を持たず、中毒者多いキノコの一つ。直接命に係わる毒性はないが、症状のエグさは数ある毒キノコの中でもトップレベル。

最も食べたくない毒キノコナンバーワンと語る人も多い。

これを食べると6時間から一週間ほどで手足の末端、鼻先、耳、鼻端など体の先端部が赤く腫れ上がり、焼いた火箸に刺されたかの如く異常な激痛が走り出す。

しかも痛みは一ヶ月以上続く。確実な治療法も不十分で、最も効果が示される硬膜外神経ブロックも効かない場合もあり、そうなれば待っているのは文字通り生き地獄。

朝夜関係なく激痛は続き、睡眠さえロクに取れず、酷い時は僅かな空気の流れで鋭い痛みが走る

さらに何十日も不眠状態が続けば最終的に衰弱死へ繋がりかねない。

冷水につければ多少痛みは緩和するが、一度やめると冷やす前より痛みが悪化する。とはいえ水にずっと浸し続けると皮膚の水潤、剥離などで二次的な感染症を起こし、そして死ぬ。

毒性自体が直接命を奪うことはなく、耐え続ければいずれ収まるが、中には激痛から逃れるために自殺した中毒者もいるという。

食べてから発症も遅く、その毒性が解明されるまでは秋の風土病とされていた。

これを死んだ方がマシと思うか…死なないだけマシと思うべきか…

11位 ドクフウセンタケ

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今から50年以上前、ポーランドで強い腎障害をきたす病気が流行した。1952~1957年にかけて発症者は130人以上で、少なくとも20人以上が死亡

病気の正体は細菌やウイルス、寄生虫などでは無い。毒キノコが原因だったのだ。

そのキノコは当時どの図鑑でも食用扱いだったが、それが突然「猛毒」として報告。学者も驚く異例事態となった。

毒成分は「オレラニン」を含み、毒殺や自殺などが相次いで社会問題になった「パラコート」と酷似。重篤な腎障害を引き起こす。

食べると軽いインフルエンザ似の症状に襲われるが、

致命的な症状が出るのは3~17日と非常に遅い。有毒の疑いが長らく無かったのも頷ける。

キノコを食べた事さえ忘れる頃には、喉の渇き、頻尿、低張尿、利尿不全、腎臓の痛み、タンパク尿、時に肝障害による黄疸、肝臓の腫れなどに加え、

重度の腎炎を引き起こし、ひどい時は腎不全の進行によって死に至る。

回復しても腎障害が残ることもあり、重症であれば健康だった頃の腎臓機能は二度と戻らないだろう。

長らく日本未記録だったが、2011年10月に新潟県で発見された。

10位 バライロウラベニイロガワリ

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真っ赤なバラ色に赤い管孔、傷つけると青く変色する特徴をから名付けられたイグチの一種。嫌な予感がする色合いだが、見た目通りの猛毒

イグチ類は美味なキノコばかり目立ち、有毒種も大半は腹を下す程度。その一方で本種の毒性はずば抜けている。おまけに食べると美味しい。

症状は主に嘔吐、下痢などの胃腸系中毒

…え?これだけ?と思ってしまうほど毒キノコありがちな典型的症状に思えるが、苦しみは他を遥かに凌ぐ。

中毒者の記録によれば、ある者は僅か一欠けらの肉食べただけで胃の中が空っぽになるまで激しい嘔吐を繰り返し、胃の激痛が三日も続いた。

ある者は1/4焼いて食べたところ、激しい嘔吐、下痢によって脱水状態となり病院に入院。そこで意識を失い、臨死体験をして三途の川を渡りかけた。仮に丸ごと一本食べた場合は……お察しください

発生環境が北海道や本州一部の高山帯と限られているのが幸いか。

9位 ニセクロハツ

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ベニタケ類の一種。名前通り「クロハツ」によく似た形態が特徴で、ベニタケ類では目立った毒を持つ種が殆どない中、本種は飛びぬけて毒性が高い。

毒成分は「2-シクロプロペンカルボン酸」を含み、摂取すると数十分〜数時間で嘔吐や下痢など消化器系症状を起こす。

その後、縮瞳、呼吸困難、言語障害、背中の痛み、四肢の痙攣、血尿などの症状を引き起こし、やがて心臓衰弱で死に至る。致死量は2〜3本ほど。

日本では1954年の東京都で初めて本種による中毒例が発生。その後1958〜2018年にかけて7件と16名の中毒者が報告され、うち8名が死亡した。死亡率は50%と非常に高い。

余談だが、本種には複数の類似種が存在する。ニセニセクロハツと呼んではいけない。

類似種には致死性の毒素は含まれず弱毒で、猛毒成分2-シクロプロペンカルボン酸を含むこれこそ「本物のニセクロハツ」なのだ

…本物の…ニセ…クロハツ…?

8位 タマシロオニタケ

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白い傘に覆われた鋭いイボ、玉ねぎのように膨らんだ根元、この特徴から「タマシロオニタケ」と命名された。分布域は日本と北アメリカ東部の2つに限られ、世界的には希少種である。

意外に類似種も多く、大半は食毒不明を埋めるグループながら本種のみ猛毒として名が知れる。毒成分は4つのアミノ酸が単離されたが、毒性の詳細は謎が多い。

食べると10〜20時間ほどでコレラ様の激しい嘔吐、下痢、腹痛を起こす。

痙攣などの神経系の症状が現れることもあり、肝・腎臓機能の障害などアマトキシン中毒と類似の症状を起こすという。過去に長野県で報告された一件の記録では、

二名がこのキノコを食べて両者とも死亡している。

致死量はかなり低いが、毒性はドクツルタケやタマゴテングタケに比べれば一段下のようだ。

7位 フクロツルタケ

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テングタケ類の一種。モコモコした可愛らしい姿が印象的だが、惑わされてはいけない。

そこらの毒菌とは比べ物にならない危険な猛毒種でトップ3級にも匹敵する。過去に奈良県で死亡事故もあるという。

症状としては嘔吐、下痢などの胃腸系中毒に加え、手足の痺れ、言語障害、黒色尿、呼吸困難、顔面麻痺などの症状が現われる。

その他にも心臓・腎臓・肝臓などあらゆる臓器に障害をきたし、ひどい時は心臓衰弱で死に至るという。

毒成分は不明だが、一部ではアマトキシンを含むという話も。

なお、このキノコは類似種との分類がかなり面倒な事にもなっている。細けぇことはいいんだよ!

6位 シャグマアミガサタケ

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禍々しい脳状の姿はいかにも猛毒に思えるが、実際に危険。

その毒性はトップ3級だが、実は調理次第で食べられる。

毒成分「ヒドラジン」を大量含有するが、水溶性なので何度も茹でこぼせば99%除去可能

ただし茹でこぼした場合の話なので、採った物をそのまま食べたら当然逝く。

生で食すと7〜10時間程で、嘔吐、腹痛、下痢、痙攣などの症状が現れ、重症の場合は肝障害による黄疸、発熱、めまい、血圧低下、肝臓肥大、脳浮腫に伴う意識障害を引き起こす。

重症では腸・腹膜・胸膜・腎臓・胃・十二指腸など体内のいたるところからの出血を起こし、摂食2〜4日程で死に至る。

茹でても安心ではなく、煮沸するとヒドラジンが気化して毒ガスが発生。これを吸うと最悪死ぬ。まさに調理する側も食べる側も命がけだ。

5位 ミカワクロアミアシイグチ

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2002年、大学の研究グループにより毒キノコと判明。それも超猛毒級の菌類である。イグチ類では最も毒性が高いだろう。

国外未記録で発生地域も雑木林のヒサカキの樹下と限られており、実際に目にした者は少ない。

食中毒は一件も報告されていないが、毒成分の研究では動物実験で…

マウスに対して神経系の急性毒性を示し致死作用がある」

…との報告がある。

マウスに対する致死量は不明。これが何を意味するかと言うと、どれだけ毒素を減らし投与しても確実にマウスが死んでしまい、明確な致死量が分からなかったからである。

それほどまでに毒性が強い訳で、世界最強の猛毒キノコという噂も。ナメクジや虫さえ寄せ付けず、一度発生した個体は老化するまで長くその姿を保つという。

なお、このキノコを実際に口にした人の記録がある。

茹でて食べたところ、凄まじい舌の痺れが生じ、すぐに吐き出して事なきを得た。もしこれを飲み込んだら……

まだ情報は少なく、種小名すらも決まっていない異様な存在である。

4位 シロタマゴテングタケ

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全体が純白で覆われた姿は不気味さを漂わせる。

そう、これは世界で最も危険な毒キノコの一つで、日本でも多くの死者を出している。

ドクツルタケ、タマゴテングタケと並び「猛毒キノコ御三家」としても有名。ただ他二つに比べて本種は小型なので致死量(本数)は僅かに多いと思われる。

猛毒成分の代表「アマトキシン類」を含み、熱に対しても強く、いくら加熱しようと分解できない。

症状は摂取後6〜24時間後にコレラ様の激しい腹痛、下痢、嘔吐などの症状を起こすが、症状は1~2日ほどで収まる。

……これで終わり?

そんな訳がない。実際は特殊な毒作用で恐るべき内臓破壊が進んでいるのだ。

4〜7日ほど経ったころ、2段階の症状が出現
内臓細胞が破壊され、肝・腎障害による黄疸や肝臓肥大、胃腸からの出血、合併症による頭蓋内圧、頭蓋内出血、膵臓炎を引き起こす。

ここまで来たら助かるすべはなく、昏睡、呼吸困難、腎不全、劇症肝炎などよって確実に死に至らせる。

生還からの地獄。これがアマトキシン中毒の恐怖である。早期に処置を行わないと手遅れになってしまうだろう。

3位 ドクツルタケ

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もはや説明不用。猛毒キノコの代表各である。

ドクツルタケは猛毒キノコ御三家の一角としても知られ、海外では「破壊の天使」の異名を持って、人々はこのキノコを恐れる。

発生量も多いゆえに実際に目にした人は多く、味も意外に美味しい。

猛毒、美味、遭遇率の3つが備わっているのだ。

毒成分・症状は上と同じ、一度の回復から数日後に内蔵細胞を容赦なく破壊し、腎不全や肝不全などで死に至らしめる。
少しエグイ話をすると遺体解剖では肝臓がスポンジ状に破壊されていた例があり、

更にエグイ話をする一つの中毒者の記録では洗面器2杯分の真黒な血へどを吐き続けながら死亡したという

致死量はたったの一本。死亡率こそ現在は20%だが、医療が発達していなかった当時は50%を超えていたと思われる。

2位 タマゴテングタケ

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猛毒キノコ御三家、最後の刺客。

日本では発生が稀ゆえあまり話題にならないが、海外では「死の傘」の異名を持って恐れられる。

特にヨーロッパでは毒キノコによる中毒死の90%以上を独占し、被害規模はこれまで紹介したキノコが束になろうと敵わない。

致死性の毒成分の量もドクツルタケを上回り、猛毒キノコ上位の大半を埋めるテングタケ類でも最強の毒性を持つ。

毒成分・症状は上の二つと同じ、コレラ様の腹痛、下痢、嘔吐を起こし、偽回復期を経て内臓細胞を破壊。治療を怠れば確実に死を迎える。

医療が不十分だった当時のヨーロッパでは死亡率60〜70%と脅威の数値を挙げ、幼菌1本が人の致死量に至る。

治療法として「胃洗浄」もあるが、既に消化された毒素が肝細胞へ吸収されてしまうと内蔵破壊は収まらない。肝不全に陥ったら最後、肝移植と死の二択に狭まれるだろう。

過去、ポーランドの小学校で給食にキタマゴタケと間違え採取されたタマゴテングタケが混入し、児童31人が亡くなった事例がある。

これはブログ主が知る限り世界最悪レベルのキノコ中毒事故である。

1位 カエンタケ

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まるで地獄の業火を体現したかのような形態、そして化学兵器の力までも手にした猛毒の菌類は、我々人類の想像を遥かに超えていた。

その名もカエンタケ

発見されるだけでも話題になるのはこれぐらいだろう。日本では勿論だが、

世界を回ってもこれを超える猛毒キノコは見つかっていない。

本種の毒成分「トリコテセン類」はかつてベトナム戦争に使用された化学兵器に酷似する。致死量は僅か3g。一口で三途の川が見れるのだから、最強の毒キノコの名は伊達じゃない。

基本どんな毒キノコでも飲み込まなければ無害だが、奴の場合は素手で触るのも許されない。触れれば皮膚がただれ口に含むと酷い口内炎になる

一説では口に入れただけで「鈍器で後頭部を強打される」ような衝撃を感じるという。

飲み込むと症状が出るのはたったの10分前後。

下痢、腹痛、嘔吐などの消化系症状を起こし、次に手足が痺れ、40度を超える高熱が出始める。

髪の毛は抜け落ち、手足と顔面は脱皮し、小脳の萎縮によって運動障害及び意識障害言語障害をきたし、呼吸さえ困難となる。

更に造血機能障害により白血球、血小板が激減、全身の皮膚が糜爛(びらん)し、肝臓・腎臓・呼吸器・循環器がまともに機能しなくなり、脳障害も引き起こす。

もはや血も涙さえ流す余地もなく死に至るだろう。たとえ回復しても

言語障害や運動障害、脱皮、脱毛などの後遺症を背負い続けなければならない。

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今でこそ一般的に知られる存在になっているが、有名になり始めたのは比較的最近の話。

2000年以前の知名度はほぼ無に近く、当時の図鑑では毒があるかもしれない程度で大半は「不食」として扱われていた。

日本では7件の中毒例が報告されており、2名の死者が確認されている。カエンタケによる食中毒の詳細は↓の記事を参照してもらいたい。

coruthi.hatenablog.com

カエンタケは本来、発生が稀だが、近年になって各地で大量発生しているという。

とは言えどんなに危険な猛毒でも、やはりキノコ。こちらから手を出さなければ無害なので、十分な注意と対策をしていきたいところだ。

番外編 ドクシロハツ(仮称)

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2001年、熊本県で新種の毒キノコによる食中毒が発生。

林内に生えていたキノコを2人が少量かじったところ、口内が腫れあがり、全身がしびれた

すぐに吐き出したが、唇や舌の感覚がなくなり、10日間も衰弱状態が続いたという。

口にしただけでこの領域に陥るのはカエンタケでも例がなく、かなりの猛毒と思われる。

主な特徴は、

色と形がシロハツに似ていた

菊池市でツブラジイの多い温帯林に発生していた

…以上の二つしか情報はなく、写真も一切無い(画像はイメージに近いシロハツ)

現在多くの謎に包まれているキノコで、名前も無いのでブログ主は仮称として「ドクシロハツ」と呼ぶことにした。

まとめ

本記事はキノコの初級者から上級者まで楽しめる内容にしようと、有名な毒キノコからそうでないものまで幅広く紹介させてもらった。

ちなみに毒キノコに関する細かな症状は、一部を除いて誰かが食べて判明したことである。

毒性の詳細は相応の犠牲者がいる上で成り立っているのを忘れてはならない。

 

毒キノコ図鑑TOP↓(もっと色々知りたい人向け)

coruthi.hatenablog.com