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【猛毒】タマシロオニタケの毒成分・中毒症状など

最終更新日:2015年8月31日(画像はWikipediaより)

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タマシロオニタケ(球白鬼茸、学名:Amanita sphaerobulbosa)とは、テングタケテングタケ属に属するキノコの一種。

名前の由来としては、柄の基部が玉ねぎのように大きく膨らむ特徴から来ており、学名の「bulbosa」にも「玉ねぎのような」という意味がある。

国内では本州以南に見られるが、現在のところ日本と北アメリカの東部のみでしか発生が報告されていない希少種である。

本種は猛毒キノコとしても有名で、死亡例も報告されている。

特徴

秋〜夏にかけて、シイ・カシなどの広葉樹林アカマツ・ヤモミなどの針葉樹が混じる混生林の地上に発生する。

全体は白色〜淡褐色、傘は直径3〜7cm程で、初め半球形のち饅頭型となり、最後はほぼ平らに開く。傘の表面は角錐状のイボが多く付着するが、脱落しやすく、傘の縁に条線はない。

ヒダは柄に対して離生し、幅狭く密、縁の部分は粉状となっている。

柄は綿くず〜繊維状の小鱗片に覆われている。柄の上部には膜状で永存性のツバを持ち、基部はカブラ状に大きく膨らみ、しばしば横に裂ける。ツボの存在は明瞭には分かっていない。

シロオニタケと外見が類似するが、柄がこん棒状で、上部のツバが脱落しやすい点で区別できる。

毒成分

単離された毒成分はいずれもアミノ酸の2-アミノ-4,5-ヘキサジエン酸、2-アミノ-5-クロロ-6-ヒドロキシ-4-ヘキセン酸、アリルグリシン、プロパルギルグリシンの4つである。

マウスに対する肝細胞の壊死が確認されているが、いまだ不明な点が多いのが現状である。

中毒症状

摂取すると10〜20時間ほどで症状が現われる。その症状は「日本の毒きのこ」によるれば「コレラ様の胃腸系の中毒(激しい嘔吐、下痢、腹痛)を起こす」とのこと。

アマトキシン類は含まないが、おそらく肝・腎臓機能の障害などアマトキシン中毒と類似の症状を起こすと考えられる。

また、アリルグリシン、プロパルギルグリシンを含むことから神経系の症状が現われる可能性もあり。

毒性はドクツルタケタマゴテングタケなどに比べれば劣るものの、致死量はかなり低いとされる。

日本における中毒例は1978年の長野県でこのキノコによると思われる食中毒が一件だけ報告されており、中毒者は二人で両者とも死亡例している。


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