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コテングタケの毒成分・中毒症状など

最終更新日:2015年8月24日(画像はWikipediaより)

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テングタケ(小天狗茸、学名:Amanita porphyria)とは、テングタケテングタケ属のキノコ。

本種は北半球ほぼ全般に生息し、テングタケ科としては比較的小型のキノコで、アジアの一部ではやや外見の似るコテングタケモドキ(毒)というキノコもある。

日本ではコテングタケの発生はやや稀、対するコテングタケモドキは本州以南で多く見られるが、世界的に見れば本種の方が知名度が高いようだ。

テングタケ科という時点でおおよそ予想が付くが、毒キノコの一つである。

特徴

夏〜秋にかけて、トウヒなどの針葉樹林の地上に発生する。北半球では日本を含めて広く分布し、特にヨーロッパや北アメリカなどでは一般的に見られる。

小型〜中型で、傘は茶褐色〜灰褐色、表面はややかすり模様をあらわし、しばしば暗灰色のイボが付着する。傘の縁に条線は無い。

ヒダは白色で、柄に対して上生〜離生し、幅が広く密。

柄は下に向かって太くなり、基部はカブラ状に膨らむ。上部には灰色で膜状〜ややリング状のツバを持ち、基部は白色〜暗灰色の浅いツボを持つ。柄の表面は白色〜淡灰色で、ツバから下は繊維状の斑紋がある。

類似するキノコ

テングタケモドキ、クロコタマゴテングタケ(毒)、クロタマゴテングタケ(猛毒)などが形態的に似ている。

テングタケモドキは柄が白色、ツバも白色で薄く崩れやすく、基部のツボが袋状となっているなど、全体的に見れば違いが多い。

クロコタマゴテングタケとは非常に良く似ているが、柄のツバが淡黄色を帯びている。

クロタマゴテングタケは傘がより濃色で、ツボが袋状となっている点によって区別できる

毒成分

毒成分はブフォテニン(Bufotenin)を含み、中枢神経系に作用するインドールアルカロイドの一種である。

ブフォ「Bufo」とはヒキガエル属ことを現し、主にヒキガエルの毒で知られている。海外では幻覚剤の主成分として使われ、かつての日本では医薬品としても使用されていた。

なお、この毒素が一部のキノコに含まれることは殆ど知られておらず、以前はバナナの皮にも微量ながらブフォテニンが含まれるという噂が立っていたが、多分嘘。

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画像はブフォテニンの構造式

その他の毒成分で溶血を引き起こす溶血性タンパク質を含む。

中毒症状

生食すると下痢や嘔吐などの胃腸系の中毒を起こし、インドールアルカロイドを含むことから中枢神経系の症状(悪寒、めまい、視覚障害、幻聴、幻覚、精神錯乱など)を起こす可能性もある。

毒性はあまり強くないが、手を出さない方が無難だろう。


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