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シロハツモドキの特徴・毒性など

最終更新日:2022年9月12日

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シロハツモドキ(白初擬、学名:Russula japonica)とは、ベニタケ科ベニタケ属に属するキノコの一種。全体が白色で極めて幅の狭いヒダが特徴となる。

和名に「モドキ」と付く通り、その形態はシロハツ(可食)との類似性が強い。シロハツは無毒だが、本種は有毒として知られており、食用にはならない。

特徴

夏〜秋にかけて、シイ・カシ、コナラなどの広葉樹林の地上に群生し、時に大きな菌輪をつくることも。国内では本州南以、国外では朝鮮、台湾などで発生が確認されている。

傘は直径6〜20mc、土壌や落葉をのせていることが多く、初め中央が凹んだまんじゅう形、のち漏斗型となる。表面は平滑、色は白色で成熟すると黄褐色を帯びる。

ヒダは白色からクリーム色、のち成熟すると黄褐色のシミを帯びる。柄に対して離生〜垂生し、かなり幅が狭く極密。

柄は丈夫で、太く短い。表面は白色で、のち黄褐色を帯びる。

胞子紋はクリーム色。胞子は類球形で無色、大きさは6〜7×4.7〜6μm程となる。

類似種

よく似たキノコは数多く知られるが、最も多く名前が挙がるのがシロハツである。

シロハツの特徴としてモドキとの違いは…

「ヒダと柄の境目に青緑色を帯びている」「ヒダはやや密でモドキほど極密ではない」「柄はモドキに比べて僅かに細長い」「胞子は楕円形でより大きい」

…と言った点があり、十分な知識を持っていれば判別は容易だろう。

青緑色を帯びる特徴は古くなった個体では殆ど確認できないので、この場合はヒダの密度で判断すると良い。

その他の類似種としてヒダが淡い青緑色を帯びるアイバシロハツ(可食)や、傷をつけると乳液を出すツチカブリ(毒)とその近縁種などが存在するが、全て載せるとキリがないので、図鑑を買うことをおすすめする。

中毒症状

体質によっては食べると数時間ほどで悪心、嘔吐、下痢、などの消化系症状を起こし、めまいが生じることもある。

毒性は低く、命に関わることはまず無いと思って良い。

中毒例・中毒記

2019年10月では新潟県上越市でシロハツモドキによる食中毒が発生している。

10月9日に妙高市内の林内でシロハツと思い採取したキノコを、家に帰って家族3人で野菜スープにして食べたところ、そのうち2人が吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が出てきて病院に入院。2人は退院し快方に向かった。

その他にもシロハツと間違え中毒するケースがいくつか報告されるが、シロハツ自体はあまり食用として優秀ではないので、誤食される例はそう多くない。手を出さないのが無難だろう。

↓こちらはシロハツモドキによる中毒記。貴重な記録なので良かったら見てもらいたい。

daimonjiyamawotaberu.livedoor.blog

 Twitterでも「キノコが好きな天城(@Zyuuroo_Al)」さんによるシロハツモドキの中毒記が書かれている。

また、本種による中毒例ではないが、熊本県でシロハツ似のキノコによる食中毒が報告されている。

ツブラジイの多い林内で発見した白いキノコを少量だけ齧ったところ、口内が腫れ上がり、全身のシビレなどの症状をきたし、唇や舌の感覚が無くなり、10日間も衰弱状態が続いたという。

和名・学名ともに存在せず、特徴としてはシロハツに似ていたという情報のみである。なんにせよ、シロハツ似のキノコにこれほど毒の強い種類が隠れていたこと驚きだ。


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