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ヒョウモンクロシメジの毒成分・中毒症状など

最終更新日:2022年9月12日

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ヒョウモンクロシメジ(豹紋黒湿地、学名:Tricholoma pardinum)とは、キシメジ科キシメジ属に属するキノコの一種。

当時は国内未記録であったこともあり、あまり馴染みのないキノコだが、世界的には有名な毒キノコの一つで「タイガー・トリコローマ(Tiger Tricholoma)」とも呼ばれる。主にヨーロッパや北アメリカなどで見られ、アジアでも日本を含めて広く分布している。

また、ヒョウモンクロシメジという名は傘の表面がヒョウの様にまだら模様になっていて、黒っぽいことから付いた名である。学名のpardinumはヒョウのようなという意味がある。

特徴

主に秋、広葉樹林、針葉樹林の地上に群生または散生する。

傘は中型で、初め半球型〜まんじゅう型で、のち平らに開くが、時に中央が突出することもある。表面は白色で褐色〜灰黒色の鱗片に覆われている。

ヒダは白色〜黄色でやや幅広く疎、柄に上生し、時に離生状になる。

柄は白色〜淡黄色で、表面には帯褐色のささくれがある。上下同大だが、下部が膨らむこともある。

肉は白色で粉のような臭いがあり、特に苦味や辛味はない。

毒成分・中毒症状

毒成分は現時点では不明。今後の研究が望まれる。

中毒症状は食後から15分〜2時間ほどで症状が現れる。激しい嘔吐に加え、下痢、発熱、めまいなどの症状を引き起こし、ひどい場合は脱水状態に陥ってしまう。

時に痙攣が生じる場合もあり、肝機能障害を起こした例もあるという。比較的強い毒性を持ち、ごく少量でも症状が現れることがある。

中毒者の記録によると、ほんの一切れを食べただけで今まで経験したことのない劇的な吐き気に襲われたという。

中毒例・中毒記

現在、国内では新潟県山梨県などで中毒例が知られている。

その一つ、山梨県で起きた食中毒は以下のサイトにて詳細が書かれている。本種が日本でまだ未発見だった時の中毒記である。

yamatabi.info

死亡例は今のところないが、十分な注意を払ってもらいたい。

キノコ図鑑での騒動

2017年6月23日に発売した「小学館の図鑑NEO きのこ」では、ヒョウモンクロシメジが誤って「食用」と記載されてしまい、これがニュースでも報道され一時期大きく話題となったことがある。

詳細はこちら↓

www.sankei.com

その後、すぐに書籍を回収し訂正したものに交換された。だが問題はそこだけではなく、図鑑で載っていた写真もヒョウモンクロシメジとは異なる種類である可能性が高いという。


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