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ミナミシビレタケの毒成分・中毒症状など

最終更新日:2017年5月1日(画像はWikipediaより)

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ミナミシビレタケ(南痺茸、学名Psilocybe Cubensis)とは、モエギタケ科シビレタケ属に属するキノコの一種。シビレタケモドキとも呼ばれる。日本では和名よりも学名である「P.cubensis(シロシベ・クベンシス)」でよく知られる。

本種はいわゆるマジックマッシュルームの一つとして知られており、食べると幻覚、幻聴などの症状をきたす。

広く分布し、人工栽培も容易なことから世界では最もよく知られるマジックマッシュルームである。後に日本でも八重山諸島で自生が確認され、1997年に「ミナミシビレタケ」の和名が付けられた。

なお、本種は日本において国の法律により麻薬原料植物に指定されている。以前は合法ドラッグとしてもよく使用されていたが、現在では採取しただけでも罰せられてしまう。

特徴

四季を問わずほぼ年中見られ、主に野生動物の糞上に発生する。日本では八重山諸島沖縄本島などに自生することが確認されている。

傘は初め円錐形で、のちまんじゅう形から凸型に開く。表面は黄色〜黄褐色で、 湿っているときは粘性がある。

ヒダは初め白灰色だが、成熟に従い黒くなる。柄に対して直生〜上生し、やや幅広く密。

柄は表面が傘とほぼ同色だが、上部と基部は白色となる。 上部には内側が暗紫褐色のツバがあり、基部には白色菌糸を持つ。

傘、ヒダ、柄は傷つけると青変するが、これは殆どのマジックマッシュルームに共通する特徴である。

胞子は楕円形、大きさは11〜17×7〜12μm程となる。

毒成分

毒成分はインドールアルカロイドの一種である「シロシビン(Psilocybin)」を含み、幻覚を引き起こす原因物質である。熱に対し強く、加熱しても殆ど分解されない。

同様の毒成分を含むキノコは日本ではヒカゲシビレタケを始めとして様々な種類が知られている。

中毒症状

摂取すると30分〜1時間ほどで悪寒、吐き気、ふらつき、めまいなどの症状が現れ、その後は興奮、幻覚、幻聴、精神錯乱、麻痺、手足の痺れを引き起こし、時間、空間の認識や自身の感情をコントーロールする事さえも困難となる。

症状は5〜6時間ほど続くとされ、1日あればほぼ平常に戻る。ひどい場合は痙攣、昏睡などの重症に陥る場合もあるが、本種の毒性で死に至ることはほぼないと思われる。

余談

🍄本種は今のところシロシベ・クベンシスと同種という扱いだが、実際はその亜種である可能性も否定できない。だが採取の規制もあり、研究が進まないのが現状である。

🍄youtubeなどの動画サイトでは本種の栽培動画がある。成長を記録したタイムラプスビデオなどもあり、興味があれば見てもらいたい。


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